たかしくんのひき算九九の例
「○ひく○は○と」と読まず、15は9と6、15は8と7、15は7と8、15は6と9というように数の分解の形でまとめてあり、ある数はは○と△の2つの合成であることがわかる仕組みになっています。



   じゅうはち 9と9- ♪
たかしくんがデッキのスイッチを入れると、お姉さんの元気な、そしてやさしい声で「ひき算九九」の歌が流れてきました。
 ♪
   じゅうなな8と9 じゅうなな9と8-
     じゅうろく7と9 じゅうろく8と8
               じゅうろく9と7 ♪
聞いているだけで楽しくなってくる、明るいリズムの音楽に、たかしくんはどうしても歌いたくなってきました。
そして、どんな歌詞かなと思って歌詞カードを見てみました。

ひらがなの歌詞の他に、数字で書いた式もあります。
「あれ、ひき算の歌なのに、たし算みたいな式だ」
そして、もう一つ、数字を赤いの数であらわした式もあります。
「歌詞カードなのに、図がかいてある」
たかしくんはなんかへんな歌詞カードだと思いつつも歌を聞きながら歌詞カードをみていました。
1曲目が終わって2曲目がはじまりました。
「あらら、同じうたなのに、なんかさっきより曲のテンポが速いぞ」
2曲目はテンポ[♪=155]で録音されています。
「ちょっと速くて聞き取りにくいな。」
最初はそう思っていたたかしくんも聞いているうちにだんだんなれてきて、しっかりききとれるようになってきました。そして3曲目。テンポは[♪=140]。
「なんだか今度はすごくゆっくりだな。」
3曲目は1曲目と同じテンポ[♪=140]なのにたかしくんの耳には、3曲目は遅すぎたのです。
そして4曲目。テンポ[♪=220]です。本当はとても速いスピードなのに、しばらく聞いているうちにたかしくんはそんなに速いテンポに思えなくなっていました。それどころか、いつのまにか口ずさめるくらいにまでなっていたのでした。
繰り返し聞かなくてもたかしくんは聞き取ることができました。
1曲目を聞きなおすと
「じ - ゅ - う - は - ち  9と・・・ あれ?」
テンポ[♪=220]に慣れたたかしくんにはテンポ「♪=140」は本当に遅く感じられ、頭のなかでむずがるような気分でした。でもそれ以上に奇妙な感じがしていました。
「答えがないんだ!」
トライバージョンは「じゅうはち くと」の「」の部分の歌詞が入っていません。何か変な感じがしたのはそのせいでした。しかし、ぬけている答えの部分に正しい答えを入れてみるととても気持ちがいいことに、たかしくんは気がつきました。というよりは正しい答えを歌わずにはいられない気分になっていたのでした。

歌詞カードを歌いながら見ていたたかしくんのそばに、お母さんがやってきました。
「とても楽しいそうね」
「うん。うまく歌えると、とても気持ちがいいんだ。」
たかしくんはいいました。
「でも、この歌詞カードのいみがよくわからないんだ。」
たかしくんはお母さんにへんな歌詞カードを見てもらいました。お母さんはにっこり笑って答えました。
「15から6をひくと9になるでしょう。15から9をひくと6になるでしょう。ということは、15って数字は6と9を合わせたものになるのじゃないかしら?」
たかしくんにはピンとくるものがありました。
「あぁ、なるほど、ひき算とはこういう意味なんだ」

たし算とひき算の関係、量の関係が一目でわかる歌詞カードに、たかしくんは、あらためてひき算の意味を理解していたのでした。
「ひき算だけでなく、たし算とかけ算の九九も聞きましょう・・・・。」
お母さんにいわれるまでもなく、たかしくんは興味津々でたし算の九九を聞き始めていました。

♪ 1と1で2、1と2で3、
    1と3 4 1と4 5 ♪