事故状況を知る。
東電報告資料からも隠された真実を知ることが出来ます。
原子炉倒壊の危機
平成23年11月30日
東電報告書より引用
解説
福島事故 東京電力は事故後、原子炉圧力容器が地震によって転倒する可能性について、左記の報告書で評価を行った。

この報告書は今もネット上で 下記のアドレスで公開されている。

「福島第一発電所1号機から3号機までの炉心状態」平成23年11月30日東京電力

(この報告書は未だ東電サイトから見れます。消去された場合、当方から提供します)

または「平成23年11月 30日 東京電力」でも 検索できる.
福島事故 報告書本文7ページで原子炉圧力容器を支えるペデスタルは耐震評価上、問題なしとされた。
福島事故 以下にこの報告書の添付資料12と添付資料13の内容を解説する。

原子炉圧力容器(以下原子炉と呼ぶ)は左記の図のようにペデスタルと呼ばれる円筒型の鉄筋コンクリートの上に立っている。したがってペデスタルが倒れると、原子炉も倒れる。


ペデスタルは高さ約8mあり、原子炉は約20mである。ペデスタルと原子炉を合わせると直径7.4m高さ約28mの
1本の円筒形で、その様はペットボトルのような形状である。
原子炉は1000t,ペデスタルも1000tを越える。

地震時には横揺れを受け、原子炉とペデスタルから発生する地震力はすべてこのペデスタルの基礎に集まり、
倒そうとする大きな力を受ける。
そのため、原発のなかでもこの基礎部は耐震レベルも最も重要視されている。

炉心溶融し3000℃を超えた燃料デブリがこの基礎部に落下し一律35p積もったとされた。
耐震上でも最悪の状態である。この基礎部の耐震評価は最優先事項であった。
福島事故
福島事故

図に示すレッド領域に落下した燃料デブリはさらにサンプ(図では□表示)に流れ込み85cm堆積したと推定された。
サンプは壁に対して離れるため、 壁に直接接している場合イエローの領域に比べ壁への影響は少ない。
この報告書ではレッド領域を評価対象としているがイエロ-領域は評価されていない。
論理に欠落が見られる。


ペデスタル壁に直接、接するイエロー領域の燃料デブリも壁を浸食する。
したがって耐震上、問題なしとするのは不合理である

以下に順を追ってその誤りを解説する
福島事故 過去の実験からサンプ周りのコンクリートを65cm燃料デブリが浸食したとされた。 以下に添付資料を引用 その浸食は本文ではペデスタル壁に達していないとしている。

福島事故 燃料デブリが浸食した図では、サンプに溜まった燃料デブリは壁の中に25cm達している。

この位置はペデスタルの鉄筋が配置されており、鉄筋が溶融していることを示している。

コンクリートは約50%セメント間の結晶水か遊離した水が含まれている。

したがって3,000℃を越える燃料デブリがコンクリート触れた瞬間、コンクリート内の水分は途端に水蒸気となり
,コンクリートが内部から水蒸気膨張のために爆裂し、鉄筋が曝され、
燃料デブリに溶融したと容易に推定される。
イエロー領域の燃料デブリを当方で簡易評価 解説
福島事故 イエロー領域では左図の赤色で示す部分に燃料デブリが35cm堆積ししている。

鉄筋を覆っているコンクリートはかぶりと言われ5cmから10cmしかない。

一方レッド領域で85cm溜った燃料デブリが65cm浸食している。
比例計算でイエロー領域に35cm溜まった場合、約27cm浸食されたと推定した。

福島事故
3000℃を越える燃料デブリが溶融温度1500度の鉄筋と耐熱温度100℃のコンクリートに
触れると瞬間的、左記の図のように,コンクリートは水蒸気爆発を起こし、鉄は溶融すると容易に想定される。、


現在燃料デブリは冷えているが、先端部は今も発熱しコンクリート内で水に触れず高温になっていると
想定され、
事故時に海水を注入していることから、現在も鉄筋及びスカート部は腐食が進んでおり、
ほぼ全損していると推定れる。

レッド領域とイエロ-領域ともペデスタル壁内の鉄筋を溶融しペデスタルは全周に渡り、少なくとも内側の鉄筋は破損していると推定される。

 現状で鉄筋とスカートは損傷している。この時耐震上、評価では全壊扱いされる。従って中規模程度の地震であっても原子炉圧力容器は倒壊する可能性がある。 現在も起こる余震に対して保っているのは原子炉圧力容器周りの配管が支えていると推定される。この配管も湿気と塩分による腐食が進んでいると想定され、いつまで耐えるか不明である。